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エイズが母子感染する確率

1990年代頃までは、妊婦がHIVウイルスのキャリアであれば生まれてくる子供も感染をしてしまうケースがありました。母子感染をする主な経路ですが、出産時または子供に母乳を与える場合です。新生児は出産時に産道で母親の血液と接触をしますが、この時にHIVウイルスに感染をしてしまう危険性が最も高くなります。

国立感染症研究所感染症情報センターによると、なんら対策を講じずに通常の方法で出産すると36%の確率で母子感染が発生すると報告しています。通常の方法(経腟分娩)だと、新生児にHIVが感染してしまう危険性が非常に高いと言えます。現在は日本を含む先進国において出産時に母子感染を予防する方法が確立していて、十分な対策を講じることで感染率を1%以下にすることが可能です。

ちなみに日本国内において、妊婦がエイズの病原体であるHIVウイルスに感染している割合は約0.01%で、これは1万人に1人の割合です。2017年に誕生した子供は約94万6千人なので、0.01%であれば100人弱くらいの妊婦がHIVウイルスの感染者と考えられます。妊娠中に検査をせずに通常の方法で分娩すると、年間あたり30~40人くらいの新生児が出産の際にHIVに感染をしてしまうことになります。実際は妊娠の際にHIV検査が実施されるので、出産の前には適切な対策が講じられます。日本国内におけるHIVの母子感染の割合は0.5%程度で、年間あたりに換算すると1人以下ということになります。

“HIV母子感染予防対策マニュアル(国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター)”には、母子感染を予防するための方法が記されています。資料によると、出産前に判明していれば帝王切開をする・妊娠中に抗レトロウイルス薬を投与してウイルス量を減らす・新生児に抗レトロウイルス薬を与えるなどの方法で出産時の感染を防ぐことが可能です。帝王切開を行うことで、母親の血液に触れるのを避けることができます。母乳にもHIVウイルスが含まれているため、粉ミルクで育てることで母子感染の予防が可能です。

現在は十分な対策を講じることにより、エイズの母子感染を防ぐことができます。ただし、なんら対策を講じないと高い確率で子供に感染してしまうので、出産前に検査を受けておくことが大切です。HIV検査は感染者がエイズに発症するのを防ぐだけでなく、生まれてくる子供のためにも必須です。